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Commuket issue NO.
109
DEC-17-2001
●毎週火曜日更新●
今週のコミュケット
COVER STORY
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あこがれのかなた。

日常が充実していても、なぜか気持ちが晴れないことがあるねん。
僕の好きなものは日光とやさしいかぜ。意外とモノを考えるのは好きじゃない。

外に出ることが苦手だった僕はカッコウいいことにあこがれた。
人の話を聞くことができる人になりたいと思ってる。
ひとりで店に入ってお茶を飲んだり出来たらいいな。
初めての失敗を自分の中で「だっせ〜」なんてさげすみたくないし。

知ったかぶりをしてショップスタッフとしゃべってみる。
たのんだことのないメニューを注文する。
さみしさに打ち勝つために携帯電話を浴槽に沈めてみる。

誰しもが何か変わりたいと思っていて、結局何も出来なくて。
気がつかない間に変わっていってるんだけど、実はその変化を認めたくなくて。
人に認められることが全てだと思っていて、そのくせ感情で動いてる。

攻めつづける姿勢がないと全てのモノゴトが誤解される。
僕は自分で悪いヤツって言ってるけど、それは単なるヒール願望で空回り。
自分の大切なものには気に入られつづけたいだけ。結局いい人になりたいんじゃん。

ひとりぼっちになるまえに、あこがれのかなたにたどり着きたい。

[アラキモトイ / 1年ってはやいよな。]
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うっかりピース君
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〜小さな声で…〜

 最近、仔猫が踏みつけられているのをよく目撃する。ヤツらは好奇心の塊だから、パッと飛び出しちゃって踏みつけられちゃったんだろう。本当に可愛そうだ。猫好きなあたしとしては、とっても胸が痛い。あたしも、踏みつけないように気をつけている。

 もう2年も前の話だが、目の前で、踏みつけられた瞬間の仔猫に遭遇したことがある。

 まだ会社でも「新人」扱いで、週休2日が約束されていた頃だった。その日は、いわゆる「平日OFF」だったのだが、ちょうど中間テストか期末テストの直前で補習が入っていたので、会社に向かっていた途中だった。いつもと変わらない道。蕎麦屋を過ぎて、いわくつきの郵便局も過ぎて…。家から3個目の交差点で赤信号で止まった。前の車は軽の4WD車。そのタイヤの傍には、黒い塊があった。最初は「あ、ダンプカーについてたゴムがちぎれて落ちたんだな。」と良くある事だと片付けた。

 しかし様子がおかしかった。ゴムなのにバタバタ動くのだ。「ん?風に吹かれてるのかな?」と思ったが、その日は風もなく穏やかな日だった。動き方も速かった。それに赤いものがチラチラ見えるのだ。「おい!猫だよ!」一人車の中で叫んだ。

 ハザードをつけて、急いで飛び出した。後ろについていたSUNNYのおばさんが「ちょっと何やってるのよ…。」と恨めしそうな視線を投げつけたが、そんなものは知らん。道路にうずくまって、黒い塊をすくい上げた。右の手のひらにすっぽり入ってしまうほどの、小さな小さな猫だった。SUNNYのおばさんに「もっと右に寄って!」と手で合図して、猫をとりあえず歩道に非難させた。自分の車も、邪魔にならない位置まで移動させた。ちょうど、車の中にいらない箱があったので、その中に小さな猫を入れてあげた。赤く見えたのは、その子の口の中だった。

 会社に「遅れます」と連絡を入れ、母の会社に電話した。「今ね、猫が轢かれてるのを見ちゃったんだ。あの病院は何時までやってる?」と半泣きでやっと言った。「あの病院」とは、我が家の駄猫がお世話になっている病院である。「う〜んと、まだやってるけどその猫はどうするの?」と冷静な母の声が聞こえた。そう、もしこの子が助かったら、誰が世話をするのだろう。「可哀想だから…。」と安易な気持ちで拾ってはいけないのは判ってる。しかし、今ここで…あたしの隣で「助けて…」と小さな身体で精一杯訴えてる。放って置けなかった。

 「とりあえず連れてくから」と電話を切った。小さな身体は、まだ助けを訴えてる。一生懸命痛みに耐えていた。一見外傷はなかった。出血もなく、綺麗な身体だった。か細く、消えてしまいそうな声で訴え続けた。その声に応えようと車を飛ばすが、病院の場所は少し交通量が多い場所で、なかなか着かなかった。

 しばらくして、声が聞こえなくなった。「おい、しっかりしろよ!もうすぐだぞ!!」と小さな身体に声をかけたが、反応がなかった。やっと病院へ着いた。受付についた瞬間、気が緩み「猫が…猫が…。」と言うか言わないかで涙が出た。「お宅の猫ですか?」と受付の女性が訊ねてきた。「いいえ、違います。目の前で轢かれたのを拾いました。」とやっと答えた。猫の様子がおかしいことに気がついた女性は、猫の脈を調べ始めた。表情が重くなった。「すぐに先生を呼んできますから、待ってて下さい。」と言って、女性は奥へ向かった。

 我が家の駄猫を診てくれている先生が来てくれた。すぐに脈を調べた。「…ごめんな。もう亡くなっちゃったみたいだ。残念だけど…。」と先生に告げられた。ポロポロとこぼれる物を抑えられなかった。「連れてきてくれて、ありがとな。あとはうちで弔っておくから…。」と先生は言ってくれた。まだ暖かい小さな身体を、最後にそっと撫でてあげた。「お母さんの側から離れて、寂しかったね。心細かったね。お母さんの所に帰りたかったよな?ごめんな…。」と心の中で謝った。

 その子をすくい上げた右手がずっしりと重くなったのは、それから5分後の会社に向かう車の中でのことだった。「補習があるんだ。」と気持ちを入れ替えたつもりだったが、あの温もりや、か細い声がずっと離れなかった。30分後、会社の駐車場で泣いた。助けてあげられなかった自分の無力さや悔しさが、一気に襲ってきた。

 もう2年も経つのに、未だにあのぬくもりが忘れられない。無残な姿になってしまった子達を見ると、この事を鮮明に思い出してしまう。

[Hiroko Izumi / おひさです。この時期、仔猫がたくさん道に出てきます。どなた様も安全運転で…。]
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